ブレードランナー 2049

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パチモンみたいなタイトルであるが、前作見てないと作品の理解が半分以下になるレベルでブレードランナーの続編である。後世のポストアポカリプス作品に多大な影響を与えた荒廃の空気がこれでもかってくらい描写され終始暗いエピソードが続く。私は主人公のKに肩入れしていたのですっかり暗い気分になってしまった。

2022年にアメリカ西海岸で大規模な停電が起きたのをきっかけに世界は食物供給が混乱するなど危機的状況を迎える。2025年、科学者ウォレス(ジャレッド・レトー)が遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。そして、元捜査官デッカード(ハリソン・フォード)が突然行方をくらませて以来30年の月日が流れた2049年には、レプリカント(人造人間)の寿命に制限がなくなっていた。 – シネマトゥデイ

1作目と本作の間には劇中で30年間の歳月が流れているが、その間を補完する短編が3作公開されている。こういうの用意しているからハードルが高くなって思ったより興行良くなかったんじゃないかなぁ……と正直思わずにいられない。前作と短編3つ視聴済みで見に行ったが、見てないとちょっと分かんないだろこれ……って感じ。

続編を作れる作りにしているなぁということを随所に感じる。Kは普通に考えたら最後に死んでいるはずであるが続編が決定した時に続投できるように曖昧な表現にしている(Kの物語としては綺麗に完結しているが)。そして一応のラスボスであるウォレスは普通に生きてて、レプリカントの反乱がこれから起こることは確実な終わり方である。

そういうわけで(私が理解できていないだけなのかもしれないが)、はっきりさせて欲しい設定が大概ぼかされている印象。結局Kってなんだったんだろう。レプリカントなのは間違いないんだけど何でデッカードとレイチェルの娘の記憶を植え付けられてたのか?多分デッカードが技術を教えたっていう革命派が作ったデコイなんだとは思う(ので娼婦レプリカントが馬の玩具で正体に感づいた)んだけどそんなもの作ってどうするのかよく分からない。普通にKが息子でいいのに「自分だと思った?バーカ!!」みたいな結末になっちゃったので凄いガッカリ……。巨女広告で「ジョーという呼び名は全然特別なものでは無い」って追い打ちかけるし凄い酷い。

デッカードは実はレプリカントなんじゃないか問題は一番の焦点だったと思うのだが結局それも判然としない。ウォレスにあなたの行動は仕組まれていたのでは?って聞かれてるからレプリカント濃厚かな……。人間×レプリカントで子供ができるのと、レプリカント同士で出来るのでは意味が結構違ってくると思うんだが。

163分という長尺作品で、階段の上り下りやらデッカードの居た洋館の映る尺を取りすぎて感じであるが、前作もそうだったし凝った作りの背景を大して映さずにパッと次に行ったらもったいないっていう部分も共通しているのかもしれない。という部分を踏まえても、やっぱり見ていると間を取りすぎてもう少し短くできるんじゃないかと思わずにいられない。前作が後の作品に与えた影響が大きすぎるので、「ブレードランナー的な雰囲気」ってもはや「ポストアポカリプスのデファクトスタンダード」になってて目新しくもないんだよな。一方でAR彼女描写は今風というか興味深い描写だった。ARセックスまでの尺もやっぱり取りすぎで「まだやるの……?」って感じだったが。

さてブレードランナーの続編としてはいいが、さらに続編を作れるようにしても本国での興行はあんまり芳しくなかったようなので、実際にこの先があるのかどうかは分からない。もっとも現在では偉大な存在とされる前作も放映当時は大して人気が無かったらしいが……。

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