私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(わたモテ) – 谷川ニコ

Facebook にシェア
Pocket

「こんなの…こんなの同人誌かよ……」

当初は喪女あるあるをネタにした(読んでると辛い)ギャグ漫画であったが、徐々に思春期の女子の機微を扱う描写が増え始めオンライン連載に更新がかかるたびに百合界隈を沸かせる作品に化けた、というかなり変わり種の作品である。

概要

高校に行けば自然とモテると思っていた女の子…。しかし、無残な現実が襲いかかって来る! この状況をどう打破するか? 女子高生の苦悩が始まる! – ガンガンONLINE

初期しか知らない人間からすると百合界隈で人気が出たのはかなり驚きであった。1~5巻くらいまでは主人公黒木智子の独り相撲に終始するが、6巻あたりから女同士で一緒に遊ぶようになり、8巻の修学旅行編で成り行きで一緒の班になったメンバーを中心に人間関係が広がっていく。

百合クラスタの異常な盛り上がりを見て原作を読んでみると意外と百合百合していないことに最初は驚くのだが、冷静になってみると腑に落ちる部分がある。原作では何気ないさらっとした描写に読者側が(ときに大げさな)意味を見出すというのがいかにも本来の百合なのではないだろうか。

正直序盤を読むのはこの作品を評価している人間であってすら「辛い」と言わせるもので、興味を持った人間には「8巻くらいから読んでみるといいよ」という人が多そうだ。しかしその時期の描写は必要なかったのか?というとこれは断固としてNOである。後半はこの部分の下積みがあるからこそもこっちの成長を感じられて味わい深い。思えばこういった「長い下積みを踏まえてようやく始まる百合」という点でオンリーワンなのではないだろうか。

各巻毎の感想

1~5巻

この記事の趣旨的にこの時期は大体一括りにしてよいと思う。この時点でのもこっちは喪女あるあるの体現者であり、ギャグとして描かれてはいるものの共感性羞恥(という名前は正式なものではないらしいが)持ちの私からすると読んでて辛い描写が続く。

もこっちも振り切れてればいいのに母親とは普通に話せるみたいなリアルな中途半端さが辛いし、「こういうゲスなことばかり考えてるからモテないのかな?」って冷静になったり、時間の経過があるたびに後悔する描写がある。

この時期は登場人物が少なく最大のレギュラーは弟の智貴君。他にはゆうちゃんときーちゃんが不定期に登場して、5巻目でようやく小宮山さんとネモが顔見せ程度に登場する。

6巻

とうとう、こみなんとかさん登場のおかげで女同士で絡む話が出てきた。ワタモテでどうやって百合やっていくんだ……?って思っていたが同レベルの奴出して低次元な戦いから行くんだな。この作品は国内よりも先に海外でヒットして「この作品で描かれているようなことは日本だけではなく世界中で共通している」っていう作中の内容よりよっぽど救いのない事実が露呈したのであるが、そう考えると他にもそういう奴がいるっていう展開は自然だったのかもしれない。しかし3人組の真ん中(ゆうちゃん)が居なくなると残りの2人の関係が微妙になるって嫌なリアルだ……。

7巻

作中でもこっち本人が言っているが4コマ原作の萌え豚アニメの主人公並みに女同士で遊んでいる巻。もこっちの男漁りがなかったら、頑張ればきらら作品みたいだぞ。後から振り返った時彼氏ができなかったけどいい思い出だった的に振り返れそうじゃないか!

8巻

もこっちにとって高校最大の難所ともいえる修学旅行編。なのであるが、ここでまた新しく女キャラが登場して女同士でつるんで若干殺伐としたきららアニメみたいに。同じ班になるメンバーに「別のグループに所属してるんだけど、班決めの時にたまたま喧嘩してたので流れで今は分かれている」みたいな設定が入ってくるところにこの作品らしさを感じる。巻末にサイン会の様子が書かれているが谷川先生、男女のペアだったのね。

9巻

体育祭編。もこっちが最近いろんな奴と会話してる気がするが男と会話してない……って言うが本当にそんな感じ。割と「黒木ってこんな奴」的にクラスの何人かに認知されてきたよな。その認知のすべてが、もこっちの意図とかけ離れているのも酷いが、その誤解の方向性がどれも「黒木は女の子にセクハラを仕掛ける女」って言うのが今後に響いてきそう。

余談であるが本作品のファンの合言葉(?)である「こんなの…こんなの同人誌かよ……」はこの巻のp117で登場する。全文を書くと「智貴くんが野球とか…こんなの…こんなの同人誌かよ……」という小宮山さんがいう台詞で、百合に対して使われまくっているフレーズだが元々男性キャラに対しての発言。

10巻

前から結構キテる感じのヤンキーの吉田さん、結構いい感じになって来た。後登場自体は結構早いのに本当にちょっとずつしか出てこなかったネモと秘密の関係みたいになってきてだんだん百合っぽくなってきたぞ!

巻末に載っているロッテ・マリーンズコラボ漫画、本編もあれだが巻末あとがきに書いてる身も蓋もない内情に吹いた。俺ガイルネタ書いといて許可取れたの掲載前日ってギリギリすぎる。あんまり関係ないかもしれないが、ネモのクラスでの立ち位置見てるとガハマさんをちょっと思い出すよな。

11巻

徐々に友達増えてきたんじゃないかい?みたいな感じ。雪でまばらに学校に人が来た回とか家帰った後「まぁ行っても悪くなかったかな」って言ってるしちょっと感動した。個人的に一番もこっちと相性良さそうな小宮山さんが相変わらず弟君LOVEなのがなんか不思議だ。

12巻

卒業式回で最初で最後の今江恵美元生徒会長回。「もう一回ってそういうことか!」のシーンなかなか切ない。表紙見た時珍しい人が来たなと思ったのだが逆にこのタイミングしかなかったんだな。

打ち上げ回見てると、もこっち、ゆりちゃん、吉田さんはもう一つのグループみたいなもんなんだな。ガチレズさんはゆりちゃんに友達ができて嬉しそうだ。そんな妙な連帯を持ったもこっちに対してとうとう攻勢を掛けてくるネモが徐々に狂気を見せてきて怖い。

Facebook にシェア
Pocket

「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(わたモテ) – 谷川ニコ」への2件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。