『サガ』シリーズに登場する、SF作品由来のネーミングの元ネタまとめ

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スクウェア・エニックスのRPGゲーム、『サガ』シリーズには時折SF作品が元ネタになっていると思しきネーミングが出てくる。本稿ではそれらをまとめていく。

各タイトル

ロマンシングサガ3

アルジャーノン

ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』に登場するネズミの名前から。キドラント村のイベントで倒すことになるネズミのボスキャラの名前なのだが、主人公らを騙して生贄にしたにもかかわらず「ひえええ~生きてる~!お助け~!」とかボス戦後にいうと思ったら「私が町長です」としか返さないことで有名なキドラントの町長(村なのに何故か町長)の知名度の方が圧倒的に高い。

プロデューサーの河津秋敏自らTwitterで「イベント後のデータがあるはずなのに見当たらない」という趣旨の発言をしている。サガに慣れている人なら「まぁ納期優先で削られたんでしょ。サガっていっつもそうじゃん」って感じではある。

夢見る宝石

シオドア・スタージョンの同名小説から。小説では物体を創造できる力を持った石で、ゲームではキャラクターの1人が夢魔にとらわれ夢の中に入り込んで救出するというイベントがありその夢の中でだけ存在できるアクセサリとして登場する(……のだが実は裏技で現実に持ってこれる)。

完全に余談だが、その夢のイベントが終わる際に夢の中で手に入れたアイテムが消えていく中「銀の手」というアイテムだけは消えないというオチが、入間人間の『少女妄想中。』(記事)で元ネタとして使われていて「なんで!?」ってなった。

サガフロンティア

7人の主人公それぞれに担当が居て、各担当の趣味が存分に発揮された要素がいろんな場所で出てくる(多分一番顕著なのはプロレス技がこの作品にだけ出てくるところだろう)。サガ2以来のSF世界観(あくまで沢山あるリージョンの一部に過ぎないが)を好機と見たSF作品ファンが盛り込んだのか、山のように元ネタありの要素がある。

ゴールデン・フリース

ロバート・J・ソウヤーの同名小説から。宇宙船内で行われた殺人事件の犯人が管理AIイアソンであることが最初から判明している倒叙タイプのミステリ(この形式は刑事コロンボシリーズが有名)という形式を取る異色のSF作品。

禅銃(ゼン・ガン)

バリントン・J・ベイリーの同名小説から。

マークエルフ

コードウェイナー・スミスの小説『マーク・エルフ』から。『新世紀エヴァンゲリオン』に(名前だけ)引用されたことで有名な『人類補完機構シリーズ』の短編で、短篇集『スキャナーに生きがいはない』(記事)に収録されている。ゲーム中では銃の名前だが、元ネタの方ではドイツ語でMk11を意味する無人戦車の名前。

ヴァーミリオンサンズ

J・G・バラードの同名小説から。ゲームプレイ時は技のエフェクトも相まってサンズがSunsなのかと思っていたが、このタイトルは劇中の砂漠のリゾードを指す名称で実際にはSands。もしかしてスタッフも間違って使ったのでは?という疑惑が若干ある。

ミラーシェイド

サイバーパンクを代表するブルース・スターリングが編集したアンソロジーに同名タイトルがある。Mirrorshadesはレンズに鏡面反射加工が施されたサングラスでサイバーパンクによく登場するガジェットだが、ゲーム中では「身代わりになる分身を作る妖術」として登場しているから、たまたま名前が被っただけかも。

無伴奏ソナタ

『エンダーのゲーム』の著者として有名なオースン・スコット・カードの同名小説から。SFネタであるということが分からないと「なんでロボットの技でこんな詩的なネーミングなんだ?」ってなりそう。

電気羊

映画『ブレードランナー』の原作として有名な、フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』から。本物の動物が希少となった核戦争後の世界において代替品として登場する偽物の羊。

ラモックス

3大SF小説家の1人ロバート・A・ハインラインの同名小説から。ハインラインは映画『スターシップトゥルーパーズ』原作の『宇宙の戦士』などの著作があるが、SFファンからするとハインラインもユーモアやコメディの作品書くんだなという印象の作品。

イクストル

A・E・ヴァン・ヴォークトの『宇宙船ビーグル号の冒険』に登場するモンスターが元ネタ。なお同じスクウェア・エニックスのファイナルファンタジーシリーズにクアールという虎っぽいモンスターが登場するが、あれの元ネタもこの小説に登場する(表記はケアルだけど回復魔法と被るから変えたと思われる)。

シュライク

直訳すると鳥の百舌(モズ)を意味する。全SFジャンルを1つの作品に網羅するという偉業によってSFオールタイムベストに永劫に名前を残すことになった、ダン・シモンズの『ハイペリオン』が元ネタ。この作品に登場するモンスターの名前なのだが、なぜこれを敵キャラではなく街の名前として採用したのかは不明。

サガフロンティア2

何故かラストバトル周辺にSFネタが集中している。

世界の合言葉は森

SF界の女王と呼ばれる一方で、ファンタジー分野では『ゲド戦記』の作者として知られているアーシュラ・K・ル・グィンの中編から。

スタークエイク

ハードSFというジャンルは毎回「いったいどこまでが”ハード”SFなのか?」という議論が勃発するのであるが、そんな中まず全員がこれは間違いなくハードSFと太鼓判を押す作品にロバート・L・フォワードの『竜の卵』という小説があり、『スタークエイク』はその続編作品。

ゼノサイド

SF界では有名な『エンダーのゲーム』シリーズ第3弾のタイトル。無理解による異星種の虐殺(これがタイトルのゼノサイド)を防ぐために権力者に根回しをするシーンがあるのだが、裏から宇宙を支配している奴が日本人だったのでクラクラ来た。かつての日本は今現在の中国みたいなもんで、欧米以外の経済的強者として表現できる国だったんだろうな。ちなみに作品が発表されたのは1991年だが、バブルが崩壊したのもこの年。

アンリミテッドサガ

今までのシリーズ(に限らず他のRPG全部と言っても過言ではない)とかなり異なる仕様となり、更にそれに対する説明が明らかに不足していた為、ゲーム史に残るレベルで投げ売りされる事態となった不幸な作品。「理解すれば神ゲー」という事実を(ファンから別売りの説明書と揶揄される)解体新書を片手に実感した私ですら他人には勧められない。

ハードフォウト

グレッグ・ベア『鏖戦(おうせん)』の原題Hardfoughtから。『80年代SF傑作選』の下巻に収録されている。「狂戦士状態にする」というFFでいうバーサクの効果を持つ術なのだが、このゲームの術はまず使うまでが大変なので、クリアした自分ですらこれに限らずまともに術を使った記憶が無い。

アイスナイン

カート・ヴォネガットの『猫のゆりかご』に登場する架空の物質アイスナインから。ゲーム中では「術使用時のリールの目を水と禁のみにする」という効果の術として登場するが、上手い引用を考えたものだ。

本稿には関係ないが上遠野浩平の『ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師』でこのアイスナインに関する言及があって「おおっ」ってなった記憶がある。「特定のパターンが急速に広がってすべてそれに固定され、変化の可能性が失われる」というのはいかにも上遠野浩平的なテーマだ。

フラショナル

バリントン・J・ベイリーの『カエアンの聖衣』からでフラショナルは現代の我々がフォーマルスーツと呼んでいるものを指す。「衣服が人間を支配する」という奇想天外な着想によるSFで、アニメ『キルラキル』の元ネタになっている。『天の光はすべて星』が『天元突破グレンラガン』の影響で新版発売となったように、この作品も『キルラキル』の影響で新約版が発売された。何が縁になるのかは分からないもんですね。

終わりに

オースン・スコット・カードとバリントン・J・ベイリーが2つずつってくらいで色々なところから取ってる。なんでこれをこれに?って言うのも結構あるけど、「自分が好きな作品だから無理やり気味にでも引用したんだよ!」ということかもしれない。

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