シン・ゴジラ

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ゴジラシリーズ29作目で、前作の『ゴジラ FINAL WARS』から12年ぶりの新作。「庵野、エヴァも作らずゴジラ作ってるのか」ってくらいで、正直まったく気にしていなかったのだが、封切後各所で大絶賛を受けているのを知って興味がわき、結局2週間くらい経ってからお盆の時期に見るという中途半端な時期の視聴になった。

東京湾から出現した謎の生命体ゴジラが東京に上陸し破壊行動を行う。日本政府はこの危険を排除するために攻撃を開始するが……という話だがゴジラシリーズを見るのはこれが初めての私でも多分毎回そうだよなと思う。

日本政府対災害生物というプロジェクトX的な内容のストーリーで特撮になじんでいない私にも面白い話ではあった。デヴィッド・フィンチャーのソーシャルネットワーク(マーク・ザッカーバーグのFacebook創設を描いた映画。視聴済み)なみにみんなすごい早口で、場面もテンポよく次に進んでいく。政治劇の部分は素人の私にはわからないが、霞が関に実際に勤めている人が実際にはどうなのかをまとめた記事を挙げていて興味深い。こういう記事が見られる時代なんだなぁ。

「シン・ゴジラ」での政府の意思決定プロセスについて書いてみた – ツイッターに書ききれない長文を書くブログ

監督が庵野秀明であることを意識するような作りも「おっ」となる。エヴァで使用されていたBGM(DECISIVE BATTLE)のアレンジ版が多用されるし、おなじみのテロップ説明もストーリー進行に効果的に活用されている。そういえばネット上で議論するときに「あの場面で出てきたのなんだっけ?」ってならずに済む効果もあるから今風かもしれないな。

そういう部分を素直に楽しめばよかったのだが所々引っかかる部分もあった。一言でいうと日本映画なんだなぁという部分が。

私は日本映画は(アニメを除いては)まず見ないという人間であるからか、やっぱり日本映画で日本人がカッコいい話し方をするのにすごい違和感を覚える。この映画の予告編の日本映画もこんな感じだったから、別にこの作品だけでなく全体的にそんなんだろう。

もう一つはナショナリズムである。「まだまだ日本はやれる」みたいなことは言わなくていいよ……。テレビ番組に出てくる外国人の振る舞い(=脚本作家が指示した振る舞い)が「自分で日本人を褒めることはしたく無い。外部から日本と日本人を評価してほしい」という視聴者のニーズを想起させて「うわぁ……」となる人間なんだけど、この作品も若干そうかな……。ハリウッドのアルマゲドンとかインデペンデンスデイとか、あの辺を笑えないと思う。

そういう状態なので政治経済に対する知識人的というかニヒルな発言には違和感とナショナリズムの合わせ技で、ゾワ~ッときてしまった……。もっともこれは英語圏に人間が見る英語圏の映画とかだってそうなんだろうな。こちらからすると外国語だから、普段見ている洋画はそのへんを気にせず見れているんだろう。

と色々言ってしまったのだが基本的には面白い作品だった。一番感心したのは最後にゴジラを倒す時の絵の地味さである。電車をぶつけて転ばせた後に建設用車両が集まって口の中にクレーンを突っ込んで血液凝固剤をホースから放出という非常に現実的な手法。派手さ重視の海外の映画だとなかなか見られない光景なのではないだろうか。実行している人々が名前のあるキャラクターではないところも良い。

庵野秀明がこういう風に大衆に受け入れられるとは思わなかったが、これで気持ちも落ち着いただろう。劇場版エヴァの風呂敷たたむのに集中してください……。

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