ワンダーウーマン:アースワン – グラント・モリソン

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長い歴史を持つアメコミの女性ヒーロー、ワンダー・ウーマンのオリジンを現代的な設定でアップデートして再始動した作品。

Earth Oneって単語、英語表現で始まりとか出発とかその辺の意味なのかと思ったらまったく違った。アメコミにはおなじみの並行世界であるが、DCコミックスのユニバースにはEarth 0, Earth 1, Earth 2……という名前が付いているらしい。ちなみにこの並行世界も分割したり再統合したりでアメコミ初心者の私には調べてもよくわかんない感じ。歴史が長いと色々あるんだな。

思ったよりギリシャ神話ベースの話である。ダイアナという名前なのでディアナ本人なのかと思ったら、『狩猟の女神にちなんだ名前を付けられただけ』で全然別人。他のキャラはギリシャ神話なのにダイアナだけローマ神話なのが違和感あるけど、この世界観的にギリシャ神話の神は実在するけど、ローマ神話の神は実在しない感じなのかな?

アマゾンって聞くと「ブラジルじゃないよな……?」とつい思ってしまうくらいの無知な私だが調べてみたらギリシャ神話では黒海沿岸部に住んでいた民族のことを差し、黒海自体もかつてはアマゾン海と呼ばれていたらしい。神話を作ったギリシャ人から見ると北東方面にいる蛮族って感じかな。

スティーブ・トレバーは基本的に白人男性で描かれてきたらしいが、本作では黒人である。それ自体はよくあることなのでどうとも思っていなかったのだが、ワンダーウーマンに肩入れして軍の上官に情報を渡していない理由に、「かつて自分の祖先は奴隷として連れてこられ権力者に支配されていた。同様のことが今アマゾンに起きる可能性が高いから」と答えるのはう~んと唸ってしまった。全体的にフェミニズム的な思想を感じるリベラル嗜好な感じだが、こういう要素も入るんだなぁ……。

ダイアナは泥から生まれたと聞いていたが、実際にはハーキュリーズ(ヘラクレス)の血が入った娘であるというオチが待っている。他のアマゾネスと基礎的な能力が全然違うっていうことは序盤から散々書かれていたのだが、生まれで能力が決まってしまう設定ってリベラル的なテーマとの食い合わせ悪くないかな。

120ページくらいしかない短い話だから仕方がないかもしれないが特にヴィランと戦うわけでもなく、アマゾンの外に出ることになったというだけで、まだ始まってもいないという印象なのでイマイチ盛り上がりに欠ける。解説を読むと三部作構成らしい(実際タイトルをよく見るとVol 1って書いてある)ので、本当に序章なんだろう。

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