ドリフターズ 5巻 – 平野耕太

4巻が2014年10月の発売なので約一年半ぶりになる新刊。作者の遅筆ぶりに慣れていると、一年半って結構早いじゃんみたいな気持ちになるから困る。

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もう前巻までの話を大分忘れてしまっているのだが、黒王軍が漂流物(ドリフ)達がいるオルテの方向に侵攻を初め、十月機関側は商人との取引によって食糧他の増強を行い、更に進行によって生まれた難民達の軍備化を進める、というぐらいで今巻は終了。

もうとにかく書き込みが凄い。見開きのページに兵士たちがわ~~っといる絵がやたらあって凄いとは思うんだが、そりゃこれくらい遅筆にもなるよ……と言いたくなる。この漫画はヤングキングアワーズの2009年6月号から連載してるので丸7年連載している計算になるが、まだ5巻目。ベルセルクの三浦健太郎みたいである。

黒王の描写がまた増えたが、匂わせてる正体のイエス・キリストから一ひねり有りそうな予感である。パンをちぎると増える、数匹の魚を大量に増やす、というのはいかにもなエピソードである(のでキリスト教圏の出身キャラは知ってそうな気もする)が、(タンク)デサントの概念を知っていたりしてなんかあるらしい。

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そういえば阿部清明との会話で発言していた「優秀な奴滅ぼす理論」ってポル・ポトがやっていたインテリ排斥を想起させるのだが、イエスであるなら知らないはずの共産主義的な発想をしているみたいな関係があるんだろうか?ちなみにポル・ポトは「眼鏡をかけている奴はインテリ」と判断していたが、この漫画で眼鏡をかけている男は童貞である(偏見)。

この漫画が面白いのは、歴史上の人物が出てきて戦うんだけど、一対一の戦いよりほとんどがモブの集団同士の戦いという形を主で描いていることだろう。この辺は「この作品だけで10年食える」という笑い話が本当になってしまったFateと差別化しているのかもしれないが、良く考えてみると当たり前かもしれない。だって実際の歴史上の人物だって変な超能力持って無双してたわけじゃなくて、現実の人間とさほど変わらないスペックを持って社会という集団の中で機能してたんだから。

そういう部分をファンタジー世界の戦争に持ってくるのがヒラコーセンスなんだろうしそういうの好きだけど、兵站とかに気を使い始めると余計終わんないぞ……。

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