バットマン:ロング・ハロウィーン – ジェフ・ローブ

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映画『ダークナイト』に大きく影響を与えた、ミステリ、ノワール仕立てのバットマン作品。バットマン、ゴードン、デントの結束が崩壊し、事件が終了しても誰が犯人だったのか明確にはならない、終始陰鬱な話である。

読んだ後に気が付いたのだがこのタイトルって、作中では「ハロウィーンから始まった一連の事件」を指しているが、メタ的にはバットマンの登場でマフィア勢力が弱くなって、代わりに「仮装した個人(ヴィラン)が台頭する長いハロウィーン」が始まることを暗示しているんだな。

バットマン史上に残る名作『バットマン:イヤーワン』の続編にして、屈指のミステリー大作!

ハロウィーンの夜に始まった謎の連続殺人事件。

真相を暴かんと共に立ち上がったバットマン、ゴッサム市警の警部ジェームズ・ゴードン、地方検事ハービー・デントの三人は、深まり行くゴッサムの、そして己の闇に何を見るのか? – ヴィレッジブックス

クリストファー・ノーランが監督した映画『ダークナイト』の原点として挙げる作品。日本版は『ダークナイト』公開の翌年にあたる2009年に発売しているが冒頭にノーランと脚本を担当したデイビッド・S・ゴイヤーの対談が掲載されており、ノーランに『バットマンビギンズ』から始まる三部作の監督に就任を決意させたのがこの作品であると発言している。

バットマン(クライムファイター)、ゴードン(警察)、デント(検事)の三人がゴッサムシティを支配するマフィアのファルコーネ一家を一掃することを誓うも、記念日ごとに殺人を犯す謎の殺人鬼ホリデイがファルコーネ一家の関係者を次々に殺害していく……という、ミステリ、ノワール仕立ての話。前作であるイヤーワン(記事)がゴードンの物語であるのなら、この作品はハービー・デントがトゥーフェイスになるまでのオリジンとなる物語である。

最初は全然影が無くてのっぺりしてるなぁという印象だった絵だが、読んでいくうちに凄い魅力的であることに気が付いた。殺人シーンが起きるたびに白黒になるんだけど、その殺人が終わった後に置かれる、休日にちなんだアイテムだけカラーになってるの凄いセンスがいい。ページをまたがる大ゴマも日本の漫画だとなかなか見ないような構図で興味深い。この作品にピッタリの人を連れてきていると感じる。

ホリデイの正体が判明して意外だなぁ……と思っていたら、トゥーフェイスの「ホリデイは二人いた」発言で一転、最後に提示された犯人が凄い意外で驚き。2巻目の折り込み解説でも書かれているが、この「二人」のなかにトゥーフェイス本人がカウントされているかどうかで犯人の構成が変わる。

この辺の真相はライターのジェフ・ローブもアーティストのティム・セイルも明言を避けているらしいが、折り込みの解説の最期に海外コミックサイト「Planet Comics」に解説用の特設ブログを用意していると書かれている。

「バットマン:ロング・ハロウィーン」の謎に迫る!(http://www.planetcomics.jp/index.php?itemid=1167)

サイト自体が無くなっていてオリジナルは読めないのだが、魚拓を取ってくれた人がいてそちらで読むことが出来た。非常に詳しく考察されているが結局のところはっきりとは分からないらしい。そういうところが名作とされた理由の一つなのかもしれない。

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