「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する – 橘玲

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ひとの一生は限られているから、人生で最も貴重な資源は時間だ。「学問」の世界の既得権を守るために、使い物にならない理論を「アカデミズム」の名で(それも大学の高価な授業料まで取って)押しつけてくる人たちを相手にしているヒマは無い。 (p238)

本書で「読まなくていい本」とされているのは、各分野において古いパラダイムで書かれた本のことを指す。人文・科学のどの分野もその歴史の途中で「知のパラダイム」が起きて古い考え方は間違いとして一掃されている。人生は有限なのだからその古い考え方には付き合わず、最新のパラダイムを下地にした書籍を読むことが最も合理的な読書である……というのがこの著者の主張である。

人生は短い。古いパラダイムで書かれた本は今すぐ捨てよう! 複雑系、進化論、ゲーム理論、脳科学、功利主義の5つの分野で知の最前線を学ぶことができる。 – 筑摩書房

複雑系、進化論、ゲーム理論、脳医学、功利主義の5分野に章立てされていて、各分野の科学史がブツ切り気味に書かれていたので当初こういう内容ならもっと分野細かく多くしたがいいのになと内心思っていた(複雑系のベノア・マンデルブロとか、ゲーム理論のキューバ危機とか普通に面白かったけどね)。だが、脳医学の章の末あたりでそれまでの章が結びつく展開になる。

それでそこから続くのが功利主義の章。数学、生物学、社会学、医学、と来て最後に来るのが政治の話になるのが面白いところだ。ざっくりいうと最大多数の最大幸福とかの話なんだけれども、学問・教養が有機的に結びついてそれに裏打ちされた形で社会のデザインやるっていうのは本書にふさわしい結びかもしれない。

ところでこの本、「読書ログをやっているんだし」ということで前から読みたいと思ってた本なのだが、そういえばいつごろ出た本なんだっけ?と思って発行日付を見たら2015年11月発行とある。最初に知った時点でもう発売後だったと思うけど、約3年前じゃないか。この3年何してたんだ自分……?各コーナーの最後にブックガイドが掲載されていて読みたいと思うが、もう効率化とか以前の問題だなぁ……。

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