高慢と偏見(下) – ジェーン・オースティン 光文社古典新訳文庫

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予想に反して面白かった英古典文学。当時のイギリスの貴族文化が当時の人間の視点で冷静に語られていて、現代人から見るとなかなか興味深い。

実は全編を通してそれほど大きな事件があるわけでもないのだが、主に文化の違いを感じられて面白かった。

当時の人間(正確にはアッパー・ミドルクラスの貴族を中心とした文化の人間)にとっての結婚観は、今よりもずっとドライで世間体と経済性をとにかく重視する様子である。

後半のメインイベントとなるリディア(主人公の妹)とウィッカムの駆け落ち事件でこれは顕著になる。リディアを連れ戻してウィッカムと引き離すのが一番ありそうな話だが、「こういうことになった以上は何とかして二人を結婚させなきゃ!」という現代人には予想外の展開に進む。登場人物らの中ではそれが当たり前らしく特別説明がない。

日本は恥の文化と言われて久しいが、「娘がしでかしたことが一家に大打撃を与える!」という駆け落ち騒動に見るベネット家の発想はもろに日本人的な恥、汚れの無限責任の様相を呈している。駆け落ちしたけど結婚せずに戻ってきた娘、なんてありえないんだろうなぁ……。

ところで予想外なことに解説がかなり充実している。下巻の最後の一割近くを解説・著者年表・訳者あとがきに割いてくれていて、読んでいてピンとこなかった部分も当時の文化を知って合点がいくことが多かった。直接的に書かれていないけど打算的な思考をしてました、という箇所が結構あったんだなぁ。

著者年表もなかなかおもしろい。21歳(1797年)の時に完成したけど出版されたのは37歳(1813年)の頃。16年も経ったら描写が古めかしいとか言われなかったんだろうか?というか歴史に残る作品を21歳で書いたのか……。

そういえば作者本人のファーストネームであるジェインを主人公の姉(批判的に書かれるキャラが多い中で、かなり好意的に描写される)の名前に使われているのはなんでだろう?解説に書かれるかな?と思ってたのだが。

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