増補版 CROSSBEAT Special Edition ボブ・ディラン

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私は1960~80年代くらいの海外ロックのファンなのだが、ボブ・ディランはいくつかのアルバムを聴いたくらいでそれ程詳しくは無かった。ところが2016年のノーベル文学賞をディランが受賞して「これを機に調べて見るか」となって読んだ。

近所の図書館でディランを扱った一番新しい本がこれだったというくらいで読んだもので、特別有名な本というわけではない。ディランは2015年にShadows in the Nightというアルバムを発表しているが、それに合わせて発売されたムックである。

ディランにがっつり踏み込んだ本ではなくディスコグラフィを中心に来歴をさらっと調べられる本で良かった。巨匠とされる彼だが、不遇な年月も長かったことも窺い知れた。確かに活動期間が長いのに昔の作品ばっかり取り上げられるイメージが強い。

ところで本書にはインタビュー嫌い、写真嫌いで知られる彼がなんと日本で受けたインタビューという珍しい内容が掲載されている。

ーー歌詞が重要な意味を持つあなたの曲を日本人の前で演奏することに対して不安はないですか。

「僕の歌詞は詩的であると同時に、音楽的でもある。常に異なるレベルが存在する。英語を理解しない国の聴衆とも、明らかに音楽的なレベルで結ばれるんだ。しかし、僕の音楽の専門家を自称する人々の多くが、僕の歌は歌詞だけに意味があるような意見を持っているようだ。僕の歌詞は音楽的なバックグラウンド抜きでは存在しないというのに」 (p130)

というくだりは、ミュージシャンなのに文学賞?という意見も聞かれる昨今では興味深い意見かもしれない。この時のディランは、かつてプロテストシンガーとして評価されカウンターカルチャーの代表ともいえる自身が、よもや権威の象徴たるノーベル賞を受賞するとは思ってもいなかったのではないか。

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