「書籍」カテゴリーアーカイブ

「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する – 橘玲

ひとの一生は限られているから、人生で最も貴重な資源は時間だ。「学問」の世界の既得権を守るために、使い物にならない理論を「アカデミズム」の名で(それも大学の高価な授業料まで取って)押しつけてくる人たちを相手にしているヒマは無い。 (p238)

本書で「読まなくていい本」とされているのは、各分野において古いパラダイムで書かれた本のことを指す。人文・科学のどの分野もその歴史の途中で「知のパラダイム」が起きて古い考え方は間違いとして一掃されている。人生は有限なのだからその古い考え方には付き合わず、最新のパラダイムを下地にした書籍を読むことが最も合理的な読書である……というのがこの著者の主張である。

続きを読む 「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する – 橘玲

ブギーポップ・ビューティフル パニックキュート帝王学 – 上遠野浩平

ブギーポップシリーズ第22冊目。デビュー20周年!新アニメ決定!という華々しいタイミングでの刊行となったが、上遠野浩平らしい相変わらずなマイペースエピソード。

続きを読む ブギーポップ・ビューティフル パニックキュート帝王学 – 上遠野浩平

世界のエリートがみんな使っているシェイクスピアの英語 – 西森マリー

現在の英語表現に大きな影響を与えているシェイクスピアの有名なフレーズ、代名詞となっている人物などに平易で分かりやすい解説を付けた書籍。単語ごとに分けられた辞書的な構成をしていないのでリファレンスにはやや欠ける一方で、初学者には読みすすめていきやすい。

続きを読む 世界のエリートがみんな使っているシェイクスピアの英語 – 西森マリー

死の鳥 – ハーラン・エリスン

アメリカSF界ではカリスマ的存在だが日本では邦訳に恵まれないハーラン・エリスンの短篇集。1冊目の邦訳である『世界の中心で愛を叫んだけもの』からなんと約40年も経過してようやく出た2冊目の邦訳であり、SFファンにとっては大御所である為に遅すぎた感が凄い。嬉しいけどなんで今更……。

続きを読む 死の鳥 – ハーラン・エリスン

ディープ・スロート 大統領を葬った男 – ボブ・ウッドワード

連絡をとりあう方法を、あらかじめ決めておく必要がある――人に気づかれるおそれがなく、勘ぐられないような環境の変化を利用する、とフェルトは言った。(中略)緊急に会わなければならない場合には、手摺近くに置いてある植木鉢を奥に引っ込めることに決まった。(p67)

ウォーターゲート事件の内部告発者ディープスロートの正体である当時のFBI副長官マーク・フェルトを、リーク先であったワシントンポストの記者ボブ・ウッドワードから書いたノンフィクション。

続きを読む ディープ・スロート 大統領を葬った男 – ボブ・ウッドワード

大統領の陰謀 ニクソンを追いつめた300日 – ボブ・ウッドワード カール・バーンスタイン

ワシントン・ポスト紙の若手記者二人が1972年のウォーターゲート事件を発端にニクソン政権が行っていた不祥事を暴くノンフィクション。

続きを読む 大統領の陰謀 ニクソンを追いつめた300日 – ボブ・ウッドワード カール・バーンスタイン

スローターハウス5 – カート・ヴォネガット

アメリカ人たちは、門から五番目の建物に引きたてられた。一階建てのセメントブロックの直方体で、正面と裏側には大きなすべり戸があった。もともとは処理前の豚をまとめる小屋として建てられたものだが、それはいま百人のアメリカ兵捕虜が住まう異郷の家になろうとしていた。(中略)建物のドアには、大きな数字がある。数字は5であった。はいる許可を与えるまえに、英語を話すたったひとりの警備兵が、街なかで道に迷った場合の簡単な住所を教えた。住所は「シュラハトホーフフュンフ」。シュラハトホーフは食肉処理場、フュンフは古き良き5である

第二次世界大戦時にドレスデン爆撃を体験した著者が、過去にも未来にも精神が時間移動するというSF要素を加えて描写する半自伝的作品。一応戦争ものというジャンルでもあるが、死を描写するたびにうんざりするほど繰り返される「そういうものだ」(”So it goes.”)が象徴するように、悲壮的というよりどこか皮肉めいた雰囲気で語られる。

続きを読む スローターハウス5 – カート・ヴォネガット

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/コンプリート・ヒストリー – マーク・スメラク

「オリジナルの1969年版から”ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”の名前を盗むというのは、土壇場で思いついたんだ」とアブネットは言う。「名前を盗むのは彼らの様な無法者の一団、海賊にも似たはみ出し者に相応しい行動でもある。また同時に”オリジナル”のガーディアンズに関わる物語の可能性も開かれる」 (p76)

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(記事)に合わせてその一か月前に発売されているが、映画用の副読本というわけではない。アメコミはキャラクターの設定を一新したりクロスオーバーさせたりして何十年も使いまわしてきたわけだが、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(GotG)もまた誕生してからの数十年で色々あったということを各時代のイラストとともに振り返って解説してくれる豪華本。

続きを読む ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/コンプリート・ヒストリー – マーク・スメラク